皆さん、Yoko Tsunoって知っているだろうか?
私たちの時代だと「オノ・ヨーコ」が頭に浮かぶが、 これは「ツノ・ヨーコ」。ちょっと違う。Yoko Tsunoは、こちらでまあまあ有名なBD (漫画)だ。作者はアメリカ人だけれど、主人公のヨーコは、日本で生まれ育って、ベルギーに住んでいるエンジニア、と言う設定だ。アジアっぽい顔立ちのボブスタイルの髪型をした女の子だ。
この漫画の内容がすごい。彼女は、武道に長けており、未知の世界へ冒険に行き、悪者をやっつけていく、と言う、王道のアメリカっぽい筋書きだ。古いBDで初版は1972年に発行されている。この当時に日本人キャラを使って、ここまで描きこもうと思ったのはなかなかのアイディアだと思う。だからきっと流行ったのだろう。
話はそれるが、仏語の漫画はBD(ベーデー)って呼ばれており、bande dessinéeの略で、その言葉通り、イラストが帯状に連なったもの、って印象だ。
BDは、ちょっと皮肉ったり、笑いを入れたり、日常の一コマを切り取ったり、日本の漫画のコンセプトと同じだと思う。絵もデフォルメされた絵だったり、写実的だったり、作者の方によって、個性が出て面白い。こっちで売っているBDはきれいに製本されてハードカバーで、全ページに色がついていて、お値段も高い。コンセプトは同じでも、きっと進化の方向が違ったんだろう。
ベルギーで有名なBDは何と言ってもタンタンだろう。これも冒険ものなので、一般的に冒険ものが受けが良かったのかも。でも、このBDの文化があったからこそ、日本の漫画がスムーズに受け入れらたんじゃないかなって思う。
今やMangaは仏語でも通じる。ベルギー人も若い人は私より日本の漫画に詳しい。どの話で主人公が誰で、アニメ化されているとか、いないとか、その時に声優は誰、とか、曲は何とか。ともかくよく知っている。
だが、このツノ・ヨーコはもっとクラシックなBDなので、お年を召した方でも知っている人が多い。
うちの子供たちが小さい頃、時々「ヨーコ」と言うあだ名がついていた。学校に迎えに行くと友達から「ヨーコ!ママが来たよ」と呼ばれていて、びっくりしたことがある。これはYoko TsunoのBDからもじったんだってわかるまでにちょっとかかった。大体、ちょっとふざけた男の子たちが言うんだけど(笑)これも洋の東西を問わず、どこでも一緒だ。
娘も大きくなって、学校を卒業し、術看の看護師さんとして就職した。
が、今になって外科の先生から「ヨーコ」と呼ばれているらしい。
え~!ここに来て、また?!
聞いてみると、日本人の名前が覚えにくい、というお年を召した外科の先生のお気に入りのあだ名だそうだ(笑)。娘も「もう、それでええわ!笑」って了承したらしいから、まあいいっか。