一人では帰れない学校

ベルギーについて

欧州の学校では日本の学校でやっているいわゆる「クラブ活動」に値するものがない。欧州に来て気が付くんだけれど、日本のクラブ活動ってすごいと思う。

半分くらいボランティア精神で先生たちが顧問となってほぼ無料で子供たちを指導してくれるシステムは、素晴らしいと思う。うらやましい限りだ。でも、こちらでは考えられない。

大体、12歳以下の子供たちは自分たちで学校から帰ってはいけない。何かあった場合、責任が親にかかるからだ。親がちゃんと引き取る確認を怠って、一人で帰してしまい、その時に何かあったら、その場合は学校に責任がある。責任の範囲を明確にするのが欧州だ。多分アメリカもだろう。面倒な感じだけれど、長くいると、責任を明確にするというのは、悪いことではないと思うようになってきた。

日本の先生の負担はクラブ活動だけに限らず、本来は家でやるべき躾まで押し付けられ、責任感の強い先生ほど、精神的につらい状況になりそうで、同情を禁じ得ない。

ちゃんと、それは先生に責任範囲ではない、という事を決めてやれば先生も断りやすいのにな、って思う。日本は個人はとても優秀だと思うけれど、国が決めたり、政治家が決めたりするのが苦手で、結局個人に押し付けている感じがする。

欧州にいると、クラブ活動がないので、親は子供たちの学校が終わった後、何か習い事をさせたい、と思うとそれぞれの機関へコンタクトして、選ぶ。どこの親も二つ三つの習い事に通わせ、毎日あちこち行っている。一般的にスポーツと音楽は好まれるようで、その組み合わせは多いと思う。

申し込みをして、入会金等を支払い、親はドライバーと化し(笑)、子供たちを学校へ迎えに行って、そこから習い事の場所へ連れていって、終わったらまたピックアップして家に連れて帰る、という面倒な作業を皆さん頑張ってやっている。

それに、親、と言っても母親ばかりではなく、父親ももちろんこの負担を分担する。
なので、普通の家庭では、今日はどっちが子供を迎えに行く、とか、いや朝は僕が送って行くから、帰りはお願い、みたいな会話がよくされる。

離婚している家庭も多いので、そのマトリックスはますます複雑になり、どこの家庭もその複雑なスケジュールをこなしている。
習い事もお母さんの所にいる時だけ、とかいうケースもあって、隔週で参加、っていう子もいる。子供たちも大変やと思う。・・・

そうそう、学校にはピックアップの人のリストがあり、その人以外の人が来たら子供を渡してくれない。なかなか徹底している。

昔、子供たちが小さい頃、子供のピックアップは主人がやってくれていた。
私が有給で休みの日に、「今日は私、休みだから学校に行って子供たちをピックアップしてくるわ♪」と、学校に行った。子供たちが「あ、ママ♪」って喜んで手を振っている。ギャルドリーのおばさんににっこり笑顔で挨拶。
そうしたら、「え?お名前は?」「あ、リストにないんですが」
ガーン。そうだ、いつも主人にお願いしていたので、ピックアップリストに名前を入れてなかった。

「あの、母親です」
「でも、名前がないので・・・(渡せない)。」
(子供たち)「ママ・・・・」

悲しすぎる・・・

日本の子供たちなんて、自分で勝手に帰ってくるのに!
子供たちが自分たちで動けるようになるのは中学に入ってからだ。
中学になると、自分の責任で学校へ行ける。
これで親は送り迎えから解放され、ホッと一息つけることになる。
もうあの悲しい場面は再現されることはない。:-)

私の所はお姉ちゃんの中学と妹ちゃんの小学校が近かったので、中学に行き始めたお姉ちゃんに妹のピックアップをお願いし、お姉ちゃんの名前をちゃんとピックアップリストに入れておき、一緒に学校から帰ってきてもらっていた(笑)。

習い事の時は私たちが連れて行っていたけれど、お姉ちゃんが中学になって随分楽になった。無精者の親のお陰(?)でお姉ちゃんはとてもしっかり者のお姉ちゃんに育った。

 

 

 

 

 

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