接種率の悪い話になると、よく引き合いに出されるのが、ヒトパピローマウィルス。
子宮頸がんのワクチンだ。
これはなかなかひどい話だ。
子宮頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)と言われるウィルスに効くワクチンで、これを打つことにより、がんの予防になる。
国によって接種率はまちまちだが、欧州で50%くらい。多い国では80-90%近い接種率だ。
ところが日本は1%以下、というのが現状だ。
日本も昔は70%くらいの高い接種率を保持していたらしいのだが、反ワクチン派が、このワクチンによる副作用の恐ろしさを吹聴し、マスコミを通じて日本全国へ広がり、国も接種を強要しなくなった。
その結果、日本ではこの接種は誰も怖くて受けなくなった。
結果、今でも子宮頸がんで2-3千人に方が亡くなっているらしい。
ワクチンの効力は、国によって発症の多さに違いがあるのだが、多い所ではがんが70%くらい減少したという報告もあるくらいだ。
最近は、男性にも効果がある、ということで男性にも接種を奨励されている。
私の友達も娘さんが終わったので、息子さんに接種をさせる、って言っていた。
接種の年齢に制限があって、15歳くらいまでに接種することを推奨されている。
ベルギーでは、その年までなら保険が効く。
予防接種なので、前もって接種するので、確かに怖い、というのはよくわかる。
それに HPVは痛いし、しんどい、って聞いた事がある。
だから躊躇する気持ちもよくわかる。
どこの国にも反ワクチン派っていうのはいて、今でもコロナのワクチンは受けない、って言っている団体さんがいる。海外にいると、まあ、そういう人たちもいる、くらいの感覚だ。
ところが、日本はマスコミの影響力がすごい。ニュースにでも、その記者の方の主観の入った報道がされ、何か恐ろしい副作用があるのを、政府が隠蔽している、みたいなドラマのような記事が発表されたりする。日本国民の多くがなびく。
日本は、流行もアッという間に全国に広まる感じがする。
どこにいっても、流行りのファッションが並び、町を歩いている人達も、ロングスカートが流行の時はほぼみんなロングだ。だいたい、短めのスカートは売っていない。
海外だと、流行はあるけれど、そこまで一斉にみんな同じものにはならない。
既に、髪の色、肌の色、体つきが違う人種。髪をスカーフで覆う女性はいつも長いローブを着ているし、季節に関係なく、半そでの人からダウンジャケットを羽織っている人まで混在する。
好き勝手なものを着ている。だからと言って、誰も気にしていない。
多分、日本の気質が、ゴシップとかファッションに敏感で、皆に習え的なものがあるのだと思う。
このヒトパピローマウイルスHPVは、マスコミのネタになった。
これを接種後に足が立たなくなった少女の記事が出、その後副反応のキツさが報告され、誰も怖くてこの予防接種をしなくなった。それで今1%以下の接種率だ。
また、そのため、今日本でこの接種を受けようとすると、かなり高額になるらしい。
ますます接種する人がいなくなると思う。
何だか、病気で亡くならなくても済む予防接種がこの世に存在するのに、それを受けず、亡くなっていく方たちがいるのか、と思うとちょっとやりきれない。副反応でつらい思いをする方もいるのは、いなめないが、どちらを取るか、は本当に本人次第。
でも、科学の発達の恩恵が、意志と反した所で受けれなくなっている人達いる、っていうことが、無念な気がする。