愛するベルギー

ベルギーについて

ベルギーは3か国語が公用語として登録されている。
フランス語、オランダ語、ドイツ語だ。
ドイツ語圏は小さなエリアで、ドイツ語圏人は少人数なので、今回はとりあえず、横に置いておく。

大きく分けてフランス語圏とオランダ語圏。
単に話す言語が違う、というだけではなく、政府の管轄も分かれていて、政策も違う点があり、補償も違う。

同じ国なのに不思議な所だ。
政府は一つで、首相も一人。その下にフランス語圏共同体、オランダ語圏共同体、ドイツ語圏共同体、とそれぞれの管轄があり、それぞれの党首がいるので、政策が微妙に共同体によって違う。

そのせいか、政府交代の時期に連立交渉が難航を極め、首相が決まらず、長い間無政府状態が続いたことがある。確か1年半くらい、政府が存在せず、無政府最長記録(?)を更新したと記憶している。

政府のない状態で国が回っている、というのがベルギーらしい所なのだが、それは、このそれぞれの共同体のお陰だ。各管轄が自分の仕事をしていたので、大きな問題もなく、無政府の状態でも、銀行も病院も保険も学校も裁判も補償も滞りなく流れていた。

つまりこの3つの共同体の存在のせいで、もめにもめて、無政府状態が長引き、でもその3つの共同体のお陰で無政府状態でも問題なく、乗り切れてきた。よかったのやら悪かったのやら・・

ちょうどコロナ騒ぎの前も政府が決定せず、無政府状態になっていて、私の知る限りこれで3度目。何だか慣れっこになっていて、「また~?」くらいの感覚になっていた。

こんな中で生活しているベルギー人は、ちょっとやそっとの事では動じない。
なんとかなるさ~っていう感覚が身についている。

話は飛ぶが、ベルギーでは、よく信号が壊れる(笑)
信じられないが、本当によく壊れて、真っ黒になっている。

日本だと、大変な交通渋滞になるか、誰かが文句を言って、10分後に復興したりしていそう。
でも、ここだと、壊れたまま3日くらい(!!)経っていることも珍しくない。
みんな、アウンの呼吸で上手に進んでいく。
仕方ないなあ、まあ、なんとかしようぜ、っていう人が多い。
なので、政府が無かったとしても。仕方がないなあ、なんとかしようぜ、の感覚で頑張る。

仏語と蘭語だと、オランダ語政府の方が裕福なので、オランダ語圏内の補償は大きく、そこに住む人たちはその恩恵を被ることが多い。

私が知る限りでは、子供たちの学校の費用が、オランダ語圏の家庭はほぼ無料だ。フランス語圏では、子供たちの学校で使う、文房具とかノートとかコピー代とか色々入学時には入用だった。他にブラッセル地域に家の購入時に補償金が出るとか、フランス語圏に住む私にとっては、うらやましいことが多かった。

オランダ語共同体は教育にお金を出してくれるのだが、フランス語共同体はそこまでお金をもっていないので出せない、という図式だと思う。
なぜか「教育」というセクションを、一つにはまとめないのか、いや、まとまらないのか。

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