語学学校には、アメリカ人の人もいた。
彼女は、発音は完璧な英語訛りだったけれど(笑)語彙が豊富だった。
後で気がついたんだけれど、英語と仏語って、発音さえ変えればそこそこ同じ単語がたくさんあるんだ。日本人としては、英語でも仏語でも知らないので、気が付かなかったけれど、両方わかった時に初めて、あれ同じやんって思った。
彼女は初心者クラスにいるくらいなので、本当に来たばかりなのだ。
彼女もきっと「知っている単語を仏語読みすれば、そこそこいける!」と気がついたんだと思う。果敢に先生に話かけて、会話を試みていた。
ある日、「ジェ・アン・ディアリ・ペルソネル」と先生としゃべっていた。
私は、わかった。
Diary.ダイアリー、これを仏語読みにしたんだ。日記だ。
と先生が「パルドン?」
彼女 「ディアヒ~?」
笑うかもしれないが、まず、先生に指摘されたら、あ、発音が悪いか?と思って、仏語風に直す(笑)。王道だ。
特に「r」の発音とア~ンとかエ~ンいう鼻音は。先生と全く同じに発音しているつもりなのに、なぜかひつこく修正させられた。
それでも先生は「hnn??」(Diarrhee?下痢でもしたのか?)
そこで「ユヌ・ディアヒ~・・」
そうそう、私たちは次に何か指摘されたら、あ、女性名詞と男性名詞を間違えたのかな?と思うんだ。日本語もだけれど、英語も女性名詞、男性名詞の区別がない。
女性名詞、男性名詞の区別のない国で育った私たちは、なぜ、椅子が女性名詞で机が男性名詞なのか、全然理解できないが、ひたすら覚えるしかないのだ。
間違えたら、あ、違う方か、と思う程度で、引っ掛かりがない。
ちょっとしたテクを習ったので、それからはそれほど迷わなくなったけれど、例外もたくさんあるのが仏語だ。必ずルール通りにはいかない。
ともかく。
あまり通じないので、彼女は、毎日書く、と説明したら、先生が、
「oh, le journal!」
そうか、日記はディアリでは通じなかった(笑)。
ジュルナル。えっ、それじゃあ新聞やん。(何でやねん!)