読み書きそろばん

ベルギーについて

日本の教育は、江戸時代から「読み書きそろばん」って言われて、字を教わったり、計算ができるように習ったり、寺小屋制度などで、基礎学習の大切さを重要視してきた。

その成果か、今の日本人で字が読めない人、つまり文盲の人なんてほとんどいないのではないか?
これは、当たり前のようだけれど、本当にすごい事だと思う。

ベルギーはEU本部もあり、NATOもあり、世界のトップクラスの人達が集まる機会もある。
街中も洗練された建物だったり高級なレストラン、ホテルが連立する地域もある。

そんな洒落た都市でも、下働きの人たちの中には、十分な教育を受けずに育ってきた移民の人達もいるのだ。
日本だと、誰でも、字が読めるし、書けるし、簡単な計算はちゃちゃっとできるだろう。当たり前やん!って思うけれど、本当にそれが当たり前でない国があるのだ。

私がベルギーに来た当初、とりあえずフランス語を習いに行って、6か月くらいが経ち、何とか現在形、過去形、近未来形などを習ったので、何となく会話っぽいものができるようになって来た頃、ホテルでバイトを始めた。
日本人なので、日本人客の対応のため、ということで、フランス語は他のスタッフが対応するから大丈夫、と言われて雇われたけれど、でも、従業員とはコミュニケーションを取らないと仕事にならない。

フランス語の語学学校6か月程度の会話能力、どんなものか想像に難くないだろう(笑)
それでも、みんな親切で、楽しく過ごすことができた。

ともかくベルギーには外国人が多く他の従業員も外国人ばかり、それぞれの訛りでしゃべるし、理解しようという姿勢で聞いてくれるので、全然委縮することなく、間違いも訂正してもらえるし、本当にここでフランス語が上達したと言っても過言ではない。

その中でお部屋のお掃除を担当している小柄なおばさんが、読み書きができなかった。
モロッコ人だったので、ヘブライ語なら読めたのかもしれないが、フランス語は全然ダメだった。
しゃべるのは、私よりは上手かったし、仏語の語彙も豊富だった
彼女が時々、「〇〇って書いてくれる?」って言ってきて、白い紙に書いてあげる事があった。
お客さんに伝えたいので、お部屋に置いておくらしい。

「OK」って言って、言われたように紙に書いてあげていると、彼女
「Akiko は不思議。フランス語がちゃんと喋れないのに、文章が書けるなんて・・・」

ちょっと笑っちゃった。
確かにまだたどたどしい会話しかできないけど(笑)、しゃべるのと書くのは同時進行やし。
まだ書く方が、考える時間が取れる分楽なくらいだ。
逆に、その語彙とか言い回し、文法も習わず、教科書も読まずに全部耳だけでここまでこれたの?って思うとすごい。

何だか、今まで考えたこともなかった事だし、言われたこともないし、そういう人もいるんだなあって、印象深く、今でも覚えている。

 

 

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