先日、懐かしい人に偶然出会った。
懐かしい、って言う言い方は正しくないかもしれない。随分昔になるけれど、コインランドリー?でいつも出会っていた人だ。名前もよく知らないけれど、毎週同じ時間帯に来るので、何となく顔見知りになっていた。
ああいう公共の場では、しゃべりたそうな人と、絶対しゃべりたくないオーラを発している人がいて、しゃべりたそうな人でも、気が合いそうな人達と、こっちが話したくない(笑)人っていう人達もいる。
その中で気さくで、ちょっと品がよく、ちょっとファッショナブルないで立ちの初老のおじさん。
しゃべりやすそうで、話題もいい感じで、時々言葉を交わす程度に、当たり障りのない話しをよくしていた。
彼は文化とか芸術関連に造詣が深く、ブリュッセル市内の壁画アートっていうのかな?ペイントしている場所を写真に収めていて、その文化的は背景などを時々しゃべってくれたりしていた。
そのおじさんが突然、いつもの所、いつもの時間帯に来なくなってしまい、会う事がなくなってしまった。どうしたんだろう、って主人と話をしていた。いい人だったのに、引っ越ししたのかな?
それから数か月後に、たまたま道で偶然出会った。びっくり!!
何だかちょっとやつれてる。久しぶり!元気?
話を聞くと、どうやら、ガンが見つかり、その後抗がん剤治療などで、外へ出ることが出来なかったらしい。一命をとりとめただけでもラッキーなくらいな状態だった、らしい。
大変やったんやー。でも、まあ一命をとりとめて、こうやって散歩で来てるんだったらいいやん。会えてうれしいよ!って立ち話に花が咲いた。
でもあんまり調子が良くなさそうで、もうそれ以来会えなかった。だから「あー、きっと病気が重くなって、ダメなのかもしれない・・・」って思っていた。
それから、私たちもそのコインランドリーに行かなくなり、数年が経過した。
ところが、昨日、たまたまそのコインランドリーの近くを散歩していたら、彼の乗っている車が停まっているのが見えた。
主人が「あれ?あのボルボ、あのおじさん?」(主人は人の顔を覚えるのは苦手だけれど、乗っている車を覚えるのは超得意だ。まず間違わない)
中を見てみると、そうあのオシャレな彼がいた。
びっくり!!いやゴメン!勝手にもう亡くなったのかも・・・なんて考えていて・・
生きていてよかった!元気でいてくれてよかった!
「ボンジュール!お久しぶり。元気そうでよかった~。また会えてうれしい。」
おじさんもニコニコして「本当、久しぶり!そちらはどう?お二人とも元気?子供さんたちは?」まあ、私たちの心配までしてくれるの?。ありがとう!
彼はあれからまだ治療も続けているらしいけれど、体調は悪くなく、普通の生活が出来ているらしい。
「私たちも元気よ。まあ、時々腰が痛くなったり、風邪が長引いたりするけれど、年相応に、ね。」
って答えながらも、懐かしくて涙がでそう・・・
「そうだな、年には勝てない。フランスのことわざで、年を取るほどよくなるのはワインだけ、って言うんだよ。ははは」
相変わらず、会話がお洒落~♥
コロナのワクチンももう6回もやったらしい。いつも緊急度の高いグループに含まれて、優先で受けてきたらしい。
「今回のブースター接種は、これまでのワクチンに加えて、現状のバリアントにも対応できるように作られているらしいので、受けておいた方がいいと思うよ。」
ほお、そうなんだー。何だかこの物知りっぽい物腰の柔らかさも前のままだ。
「それに、今回のは副反応が少ない。1回目2回目、3回目までは、熱がでたり、腕が痛くなったり、腕を持ち上げることが出来なかったり、頭痛がしたり、鎮痛剤や解熱剤が欠かせなかったけれど、今回のは全然大丈夫、って言う人達が多い。僕の入院していた病室の人達も誰も問題なかった。」
詳しいなあ。でもそれは、うれしいニュース。
私たちも再来週にアポを取った。前にも書いたけれど、私たちは絶対ワクチン受けたい派(笑)だ。経験者の言葉は心強い。
今日会社で、同僚と話をした時も、彼女はもうブースター接種やっていて、「今回はいつもより副反応が軽いわ。注射の所がちょっと痛いくらいかなあ。パラセタモール、飲まなくても大丈夫だったわ」って言ってたので、おじさんの言葉は当たってる。
まあ、今度いつ会えるかわからないけれど、元気でいてね!