2か国語公用語のブラッセル

ベルギーについて

ベルギーの公用語は3か国で、それぞれの地域で仏語圏、蘭語圏、独語圏、地域によって使う言葉が分かれている。仏語圏に行くと、お役所の書類は全部仏語で書かれていて、通りの名前も仏語で、しゃべる言葉も仏語、という感じだ。

日本だと、言葉は日本語で、標識も日本語で、通りの名前も日本語というのと同じで、当たり前、みたいだけれど、これは重要な点。

ブラッセルは2か国語が公用語と登録されているため、それぞれの全てが2か国語表示される。
お役所の書類も2か国語表示、通りの名前も2か国語、お菓子とか、薬とかの表示も2か国語で書かれている。お菓子のパッケーのに右上は仏語、左下は蘭語、みたいに箱いっぱいに字が連なる。薬の使用説明書なんて、長い長い(笑)

言葉も2か国語対応なので、お客さんが仏語なら仏語、蘭語なら蘭語で対応してくれる。
ポチャっとしたパン屋のおばちゃんも、無精ひげの八百屋のおっさんも、元気いっぱいの肉屋のお兄さんも、みんな器用に2か国語を操る。EU近辺のお店だとそれに加えて英語もしゃべれる人が多い。
言葉が苦手な日本人からすると、すごいなあ、としか言いようがない。

通りの名前が、面倒。
仏語と蘭語でそれぞれ訳して表示するので、たとえば
仏語で boulevard du Souverainが、蘭語なら Vorstlaan、同じ通りの名前だ。
標識に2行で表示してある。
メトロの駅も、仏語ならArts-Loi でも蘭語なら Kunst-Wet となる。もちろん同じ駅だ。
降りるときに間違いそうだ。
駅の名前を聞かれても知ってる方ならいいけれど、知らない方だと、知らない、って言ってしまいそう。

最近はGPSを使ってどこでも行けるようになったので、不便はないと思うが、私たちがベルギーに来た当初は、まだ地図を片手に運転して旅行に行っていた。

高速はベルギーを縦断している。高速が通る場所が仏語圏を通っている間は仏語で表示されているが、蘭語圏に入ったら、そこからは蘭語表示になる。高速を運転してると、一本道なわけで、そこが仏語圏とか蘭語圏とか知らんやん!!

たとえば、Liegeの標識を追って、リエージュ方面に向かっているな、と運転していると途中でLiegeの字がなくなり、Luikが現れる。一瞬間違ったか!と思う。
まあ、似ているなら想像もできるが、Mons のオランダ語は、Bergen。絶対違う所と思う。
追っていた標識が全然なくなり、真っ青で地図とにらめっこ。今どこ走ってるん?!
そうこうしているうちにまた次のエリアに突入して、もとの標識が出てきたりする。

ブラッセル市内に入ると、2か国語表示なので、標識も2倍の多さになる。
一瞬で目で追える量ではない。初期の頃は本当によく道に迷った。
標識がわかりにくいし、道が放射線状に作られているので、右に3回、曲がっても元に戻らない(笑)。GPSは本当に便利な発明だ。

慣れてくるとえらいもので、眼が知っている方の言語だけを追うようになる。人間の順応性はすごいね、だから、昔ほどあたふたしなくなった。

でも、ナミュールとか、ディナンとか、または本当にフランスとかへ旅行すると、表示がフランス語のみ、で「あ~、めちゃ読みやすい!」と感激してしまう。
このうれしさ、ブラッセル在住の人だときっと賛同してくれると思う(笑)

 

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