マダム・ピピ、最近減ったと思わない?

フランス語

マダム・ピピ。
そう、欧州に住んでいる人にはおなじみだろう。
また旅行者でも、欧州に旅行すると見かけるのではないだろうか。
トイレの入り口あたりに座っていて、お手洗いを利用する人達の後できれいにお掃除をしてくれて、トイレットペーパーなどの備品を調達してくれる。その報酬として小銭を徴収する人だ。

もともと女性が多かったので、たぶんマダム、という名称が付いたのではないかと思う。

日本だと、お手洗いを利用するのは通常無料だし、どこへ行ってもきれいなトイレなので、こんなところでお金を取るなんて!ってやや理不尽に感じるかも知れない。
私も最初来た時はそう思っていた。笑。

でも、駅とかにあるめちゃ汚いトイレに出会うと、少々の小銭を払っても、きれいなトイレの方がいいって、思うようになってくる。それに、誰が入ってくるかわからないような辺鄙なところのトイレもちょっと怖い。

なので、マダムが座っているだけで、何となく安心・・・笑。

日本の国民性で、だいたいみんなキレイに使おう、とか、次の人のために汚さないようにしよう、とか気を付けるのが常識。その常識は日本国どこへ行っても一般的な常識。

でも、海外に来ると、いろんな人がいて、いろんな人種がいて、いろんな考え方の違う人がいて、私たちの常識はその人達の常識でない人達がいる。

常識の概念が違う人には、こちらの常識は通じない。
そんな場合は、努力しても通じない事もよくある。どこかで、仕方ないか、というあきらめの境地?まあ良い表現で言うと、多様性を認めるようになってくる。
だったら、違う常識を持った人達をそれぞれ矯正するよりも、違う方法でどんな人でも心地よい空間を作った方がよい、と考えるのは当然の成り行きだと思う。

なので、マダム・ピピが現れてもみんな享受していたし、彼女たちのいるトイレはいやじゃなかった。

以前は本当にどこのトイレに行っても、マダム・ピピが入り口にいて、いつも小銭を準備してからトイレに行ったものだ。

ところが、最近はマダム・ピピの代わりにマシンが置かれている店が増えてきたように思う。

マシンの前でお金を払うとトイレの入り口が開く、という仕組みだ。

マクドとかバーガーキング、エクスキ、とかだと、注文して支払いをしたレシートにトイレに入るための暗証番号が書かれていて、その番号を入力するとトイレのドアが開き使用が可能になる、という方法が随分前から導入されていた。
つまりお客さん以外は、トイレは使用できないような仕組みだ。

ホテルでもこの形式のところが増えてきている気がする。

こういったマシンとか、購入時の番号利用の良いところはカード支払いが可能という事。
小銭を持ち歩かなくてもいいし、違う国に行ったらその国のコインに変えなくてもよい。
定期的にお掃除の人が来て清潔に保ってくれているし、備品も調達してくれる。

多分、時代の流れなんだろう。
便利になってきた。

だいたい、もう小銭を持つ必要性がなくなってきたと思う。
どこでもカードで支払いできてしまうので、おつり用の小銭を準備しとかなっきゃ、みたいな心配も減った。
空手の会費とかでも、生徒さんの親御さんが、その場で携帯で入金して、画面をこっちに向けてニコッっていう人も少なくない。現金支払いと同じくらい早くて簡単だ。

ちなみにマダム・ピピの「ピピ」は幼児語で「おしっこ」の意味。笑。
子供たちがおしっこしたいよーって言う時に「マモン~、ピピ、ピピ」って叫ぶ。笑。
お母さんたちも「寝る前にちゃんとピピ、しなさいよ!」って呼びかける。

なので、マダム・ピピ、っていうと、ちょっと失礼な名称なんだけれど(笑)、何となく響きが可愛いので嫌いじゃないし、ウィキペディアにもでている。
ウィキペディアには「ダム・ピピ」って出ているので、正式には「ダム・ピピ」何だろうけれど、私たちはなぜか「マダム・ピピ」って呼んでいる。

Dame pipi — Wikipédia

ということで、マダム・ピピたちは、時代の流れの中で、その存在も必要なくなってきたのではないか・・・といらぬ心配をしている。

昔の風習がなくなっていくってこんな感じなのかな?

 

 

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