大家さんがアパートの改修をする、というので一時的に借りたのがブラッセル・ビジネス・フラットというアパートだ。

普通のアパートも探したんだけれど、どうしても契約期間が3年以下だと敬遠される。
それに契約の条件も厳しくて、ちょっと工事の時期がずれて違約金が発生してしまうリスクが高い。
でもビジネスフラットだと1か月単位で更新が可能だ。ビジネスライクに契約、支払いもスムースだ。
最近は面直で会わなくても、電子決済で何でもできてしまう。
契約書も電子で締結したし、支払いも携帯からできてしまう。
という事で、アパートの住所はもらったし、契約書にもサインし、デポジットも支払いが完了した。
でも、さすがにアパートを鍵をもらわないと入れない。
その鍵の受け渡しだが、これが指定された場所に行き、そこにある金庫(セーフボックス)に指定された番号を打ち込んで開き、中から自分の名前の書かれている封筒を取ってくる、というまるでスパイのような(笑)やり方で鍵を取りにいかないといけない。
そのコードと手順が書かれたメールが届くので、それに従って鍵を受領してください、という説明を受けた。
今までの様に大家さんに会って、話をして鍵を受け取り、案内してもらい説明してもらう、っていうのではない。
すごいねー、最近はこんな感じなんやー・・
で、その手順通り、指定された場所へ行き、金庫っぽいものを見つけた。
ONを押し、番号を入れ、エンターキイを押し、銀色のノブを時計回りに回す、という説明通りにやってみたのに、開かない!!!
ええっ~~。
何度やってもダメだ。
で、担当者へメッセージを送った。
「フロアにある金庫ではなく、壁に付いた方の金庫ですよ。確認してください。」
ん??
確かにドアの横の壁にも数字が並んだボックスっぽいものが埋め込まれている。
でも、壁のは、数字が9マスに並んだだけのものだ。
とってもないし、ONもエンターもない。それにノブもない。
埋め込まれているので、それが開くのかどうかも疑問。
いや、インストラクションには、ONのボタン、エンターのボタン、ノブが記載されているやん!
この壁埋め込みのは、数字しかない。ONは押さなくてよいのか?エンターは押さなくてよいのか?ノブは回さなくてよいのか?どうやって開く??
頭の中はクエスチョンマークでいっぱいだったんだけれど(笑)、ともかくその壁に埋め込まれているボックスに暗唱番号を入力し、最後に緑っぽいボタンを押してみた。
すると、な、なんと。
ドアが向こうへ押されるように動いた。
まるでミストの世界!笑。
で、その壁の中には封筒が山ほど入っていた。
どうだろう、20個以上あったのではないか。
自分の名前の封筒を探して取った。
中にはアパートの鍵と説明書が入っている。
よしよし。
手順書にクローズボタンを押すのを忘れないように、と書かれていたので、この秘密のドアを閉めて、クローズボタンを押す。
封筒が分厚いし、数が多くて、前へ出てきそうになるので、封筒を中へ押し戻し、何とかクローズのボタンを押した。
すると。
このドア、取っ手もなく、押したら後ろへ開く構造になっている、という事を覚えているだろうか。
ドアを閉めてボタンを押したのに、力が強かったのか、封筒を押し戻したので、力具合が偏っていたのか、その力でドアがグネッと動いた・・・。
クローズとともにドアの横から金属の棒のようなものがニョキっと出てきて、それが出たままドアが開いてしまった!状況が伝わるだろうか?
閉めようとするとその横から出てきた2本の棒がジャマをしてドアが閉まらない。
きっと閉めた後でその棒が出てきて、中の穴に差し込まれ、開かなくなる仕組みだろう。
これは焦った!!
いやいや、落ち着け。
もう一度コードを入れて、緑のボタンを押す。
カチッと音はしているけれど横から出た棒は引っ込まない。
無理やり閉めようとしてもその棒は引っ込まない。
この20数名の人達のアパートの鍵が誰でも入手できる状態になってしまった。
これはまずい!!!
何度か試していて気が付いた。
コードを入力と同時に、この横から出た棒を垂直に押したら引っ込む。
この横の棒は2本出ているので、両方を押しながらなら閉まるかもしれない。
ただ横は壁だ。
うまく押したまま指を挟むことなく、ドアを最後まで閉めることができるだろうか?
コードを入力し、2本の指で出てきた棒を押し込みドアを閉める方向へもっていく。
ギリギリの所で指を離し、ドアを素早くパタン、と閉める。
閉まった!
やった~!!
もうちょっとで指を挟むかと思ったわー。笑。
いやあ焦った~。
だいたい、こんな小さな金庫というか、壁の穴にあれだけの封筒を詰め込むのもどうかと思う。
それにこんな開け閉めのしにくい構造の金庫ありえへんやろー。
文句言いたいのは山程あるんだけれど、まあ20数名の方に迷惑を掛けずにすんだ安心感の方が先だってその時はホッとした気持ちの方が勝ってたかな?
という事で、アパートの鍵を無事受領。