ベルギーの医学部について

ベルギーについて

お友達の娘さんが今年医学部の入試にトライした、って言っていた。
彼女は実は昨年一度受験していたのだけれど、その時は失敗し、医学部へ行けなかった。
でも、医学部に近いバイオ・メディカルへ進み、そこでは今年はどれもよい成績で通過した。
なのでもし、今年医学部の入試に合格したら、最初の年はバイオ・メディカルで取得した単位がそのまま横滑りで通用するので、一年目の試験はかなり楽になるはず、と言っていた。
2週間くらい前にその話をしていたので、もう結果が出ているころだろう。

そっかー。頑張って!通るといいね!

うちも上の娘ちゃんが行ったので、ちょっと思い出してしまった。
ともかくベルギーの医学部はめちゃくちゃ難しい。
まあ、日本もだし、他の国も同じなんだろうけれど。

ベルギーは入試が難しいというのではなく、毎年の期末試験を合格して次の年へ上がる、というのが難しい。留年も2年まで、なので限りがある。
この毎年の試験にハラハラしながら7回合格し卒業に到達しても、マンモスと呼ばれる全学年通しの恐ろしく範囲の広い試験があり、最後の国家医師資格の試験がある。ここに行きつくのがめちゃ大変。
ともかく各学校から頭のいい子ばかりが集まってきている上、毎年ガンガン落とされていくので、残っているのは優秀な生徒さんばかりだ。

そんな優秀な生徒さんを相手にしているので試験の範囲が広いし、内容が難しいし、覚える量が半端ない。解剖学なんて辞書か?っていうくらいの資料を読み込んで暗記しないといけないし、薬の種類もびっくりするくらい大量の細かい字が羅列した表を持っていた。

それに毎年の試験を7年間、なんとか乗り切って、マンモスと呼ばれる全学年試験も合格し、その上国家医師資格の試験も頑張って合格しても、その後、INAMI番号をもらえる、つまり医師になれる数、これが毎年決められている。

つまり、どれだけ成績が良かったとしても、その決められた数以上の医師に免許を渡せないことになる。
これはめちゃくちゃかわいそうだ。
国家医師資格の試験もこれもめちゃ難しい。それに合格しても医師になれない、って不合理としか言いようがない。
この数は例えば、心臓外科は何人、脳外科何人、皮膚科何人、みたいな学科による数が発表されるので、これはちょっとしたストラテジーで倍率の低そうなところを選ぶ、みたいな方法もあるし、いや絶対心臓!ってそれに特化した勉強をするなど、やり方はいろいろだ。

上の娘ちゃんの時代は入試はなかったんだけれど、医学部は7年だった。
多分今は6年だ。その代わり入試制度を導入した。
昔は入試がなくてよかった、って思うかもしれないけれど、一年生はすごい数の生徒さんがいるのに2年になる時に大量に落第、もしくは自分でドロップアウトしていく。それなら入試で最初から振り分けてあげた方が1年間無駄にしなくてもよいので、悪い案ではないと思う。

だいたい5年生くらいからいろんな病院へ派遣され、実習がかなり入ってくるんだけれど、6年で卒業できる医学生の人は実習の量が多分娘ちゃんたちの時代の子に比べて少なくなっていると思う。それはちょっとかわいそうかな、って思ったり。。

あと、ベルギーの子供手当はなかなか手厚くて、学生なら25歳までは子供手当がでる。
その代わり毎年、学生である、という証明を保健所に提出しないといけない。
という事で娘ちゃんは25歳まで子供手当をもらっていた。笑。
で、その後は、というと医学生の5年生くらいからは、わずかながら研修の報酬金をもらえる。
お給料が出る、という事だ。
これがちょうど子供手当が終わったくらいにお給料が出るタイミングにうまくなっている。
このあたり、ベルギーはいいね!

お金の話だと、学費はめちゃくちゃ安い。
医学部であろうと他の学部であろうと、娘ちゃんの時代は大学の授業料はどの学科でも800€くらいだった。なので、医学部7年間、一年800€で、彼女はお医者さんになれた。
(それも25歳までは子供手当までもらって・・笑)これはうれしい。

卒業できるかどうか、は本当に本人の頑張り次第。
ただ、本当に頭の良い子ばかり残ってくるので、試験が超難しい。
娘ちゃんは、小さい頃から利発な子だと思っていたけれど、それでも苦労していた。よく頑張っていたと思う。

今は、どんなお医者さんでもあの試験をくぐってきたのか、と思うとリスペクトしかない。笑。

 

 

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