ベルギーでアメリカン、と言えば何でしょう?
ベルギー在住の方は多分100%正解だろう。
ベルギーに住みだして初期の頃、バケットのサンドイッチにハマった。
種類もたくさんあるし、肘から手の先くらいまでの長さがあり、ともかくデカい。安くてお腹いっぱいになる。中の具材とか野菜とかも自分で注文して好きなものをその場で作ってくれる。
これも余談だけれど、最初はこのバケット1本食べきるのがキツかった。
途中で辟易として、もう食べきれなかった。
でも慣れてくると、余裕で食べれるようになる。サイドメニューとか、ポテトとかも一緒にペロリと平らげることができるようになる。慣れとはすごいものだ。
サンドイッチ屋さんもたくさんある。
ハム、チーズはジャンボン、フロマージュ。とりあえず、必要なフランス語はマスターした。
「ジャンボン、フロマージュ、アベック・レギューム」って言うと「クリュディテ?」なるほど、お野菜を入れてもらう時は「クリュディテ」か・・・。
ある日、またサンドイッチを買いにいくと、かなりの人が「アメリカン、アベック クレソネット」とか「アメリカン、サンゾニオン」とかアメリカンを頼んでいる。
何だ?アメリカンって?
頭の中に「?」がいっぱい。
う~ん、ハンバーグとかホットドック系かな??
それとも、マスタードとケチャップがたっぷりの肉?
などなど想像力を働かして見ていたけれど、よくわからない。
ええい頼んじゃえ。当たって砕けろだ。
「アン・アメリカン、クリュディテ、シルブプレ」
出てきたのは、オレンジっぽいパテのようなものが挟んである。
もちろんお得意の「クリュディテ」なので、お野菜も満載だ。
食べてみる。
美味い!!
中身がわからない、不思議な食べ物だけれど、美味い。
それから、何度か「アメリカン」を注文した。
ある日、お友達に聞いてみた。「セコワ?アメリカン?」<- 当時はこの程度の会話力だった。
えっ、知らないの?生の牛ミンチだよ。
は?タルタルステーキのこと?
そうそう、ステーク・タルタ~にケチャップとか香辛料とかで味付けをしてあるのよ。
げっ、知らなかった。生肉だったんだ。生肉、食べるんや・・・生魚をあれほど嫌っていたくせに(笑)
お肉屋さんで気をつけて見てみると、牛ミンチの所にはちゃんと「filet Americain」と表示がしてある。
他のミンチは、「Haché porc et veau」とか、「Haché」を使っているのに、牛ミンチだけ「Americain」だ。
きっとこの名称はベルギーだけの気がする。フランスだときっと「boeuf haché」とか言うんじゃない?
フランスとベルギーで、フランス語の言い方の違うのは、かなりある。これもベルギーあるあるで、話題によく上がる。
でも牛ミンチのどこが「アメリカン」なん?笑っちゃうよね、全然アメリカンっぽくないんだけど。
まあ、美味しかったからいいや。
正解、「アメリカン」は「生・牛ミンチ」でした。♪