最初の頃は、仏語で苦労したけれど、習うより慣れろ、で、日常生活に必要な言語だったので、必要に迫られ、そこそこしゃべれるようになった。
その頃、子供の幼稚園に行くと、子供たちがしゃべりかけてくる。
かわいい。
ただ、子供たちの使っている単語が、私の習ってきた日常会話の中になくて、わかりにくいことが多かった。
ある日、小さな子が、うちの子供を指さして、
「マダム、ソン・ラッセ・エ・デフェ」
え??何?ラッセって何?デフェってどういう意味?
ちょっとわからなくて、固まっていたら、娘が、「あ、くつひもがほどけてた」
ラッセってくつひも?
ひもって言うと、フィル、とかフィセル、とかいう単語は知っている。
そう言ってくれれば、想像がついたのに。
なぜにくつひもはラッセなんだ?
確か、赤い長い紐みたいなお菓子もラッセって言ってたんじゃない?
あ、逆にくつひもをイメージしたお菓子なのか?(お菓子からたどり着く所がすごくない?)
この頃は、仏語の簡単な本も読んでたし、日本人の人からは、フランス語上手ねーって言われることも多くて、日常生活にも支障がないくらい、語彙数も増えていた。
だからちょっとショック。
デフェ、って faireの反対語で De がついて、Defaire で、その過去形の Defait か。
faire を使うなんて、おしゃれな言い方だな。
これも私だったらEnlever とか pas mise とか、不細工な動詞を使いそう。
よく見てみると、日本語のほどける、っていう言い方も素敵だ。
外れる、とか取れる、とか言わず、ほどける。きれいと思う。
で、こんなちっちゃな子の言うことが、わからないなんて。。。。
この時のショックで、絵本とか、子供向けの本とかを「子供に、ね。」って言って買い込んで、必死に読んで、子供の使う単語を勉強した。
滑り台、ブランコ、砂場、バケツとか、スコップとか。
後に亀の形をした砂場(bac a sable tortue)を買いに行った時も、堂々と注文できたくらいだ(笑)
一挙に子供用の語彙が増えた。子供たちとは対等にしゃべるようになったけれど(笑)、こんな語彙、他で役にたつかな?
ちなみに滑り台はトボゴン。toboggan。かわいいね。
この単語に出会うと、あの時頑張った頃の事を思い出す。