そう、「kiss and ride(キス・アンド・ライド)」の看板。
こっちだと、めっちゃたくさん、あちこちで見かける。
ブリュッセルで一番見るのは、やっぱり学校の近辺だろう。
ほぼどこの学校の前もこの看板があると思う。
10年くらい前かな?もうちょっと前かな?いつの頃からか急に増えた感じがする。
場所によって画像はいろんなバージョンがあるけれど、この言い方がかわいらしくって気に入っている♡
このサインの意味は、その通り、車を一時停車させて人を乗り降りさせることが出来るスペースだ。なので、その場所に駐車をしてはいけない。その場所は車を一瞬停める事が出来るけれど、目的が達せたら、即走り去らなくてはいけない。
でも一時停車とかいろんな禁止マークがあるけれど、こんなマークに比べると断然かわいいと思う。
日本では見かけないのは、きっと風習の違いにあるんだと思う。
欧州は一般的に12歳以下の子供の責任は親にあるので、一人で学校に行ってはいけない。責任の所在をはっきりさせるのが欧州的だ。なので、親か誰かが必ず学校へ連れて行く。
最初は、これは慣れなくて、「えー、日本だったら幼稚園から一人で通ってたわ!」って思ってたくらいちょっとびっくりさせられる規則だ。
つまり学校の周りには会社出勤前の親が子供を乗っけた車でごった返す。
これも交通渋滞の大きな要因の一つだと思うんだけれど・・・
ここで役に立つのがこの「キス・アンド・ライド」のスペース。ここで子供を下ろして、キスしてバイバイ~♪ってママたちは会社へ急ぐ、って言うのが通常のルーティンだ。
このキス・アンド・ライドの言葉にピッタリ♡
日本と違っていて、欧州の学校の嬉しい所は、だいたい朝7時から子供を預かってくれるシステムになっていて、学校の始まる8時半くらいまでは、そこへ子供を置いておける。
お母さんやお父さんたちも子供を置いてから会社の始業時間には出社しないといけないので、早めに登校する子供たちも少なくはない。
夕方も同じで、夕方6時半くらいまでは学校で預かってくれる。
日本の学童保育みたいなものだ。
あと、日本と違っているのは、お父さんも同じくらい子供のピックアップに貢献している点だ。だいたい共働きが多いので、どちらかが子供を送り届けて、どちらかが子供をピックアップしないといけない。なんせ、子供一人で帰っちゃいけないからね(笑)。
多くの家庭ではお父さんが行きでお母さんが帰りとかその逆とか、皆さん工夫されている感じだ。職場でも「今日は子供のピックアップがあるからー」って言って5時くらいに帰宅する旦那様もよく見かける。
どうしても両方とも都合が悪く出張が入ったり、病気にかかったりした時の最終手段はおじいちゃん、おばあちゃん、それからベビーシッターさん。
大学生がバイトでシッターさんをしている場合もあるし、おばさんがやってるケースもあるし、au pairと言って住み込みで来ている外国の学生さんなんかもいる。
ともかく社会的に次の手段が取りやすい制度が出来ている。
そのベビーシッターさんの雇いやすさと、数は日本とは雲泥の差だと思う。
さて、話を元に戻して、私の所の娘ちゃんが小さかった頃は、まだこのキス・アンド・ライドのサインは浸透していなかったけれど、中学になる頃にはどこでも見かけるようになって、少し、子供たちの安全上、良くなったと思う。
やっぱり、何もなくてもその辺りの道で子供たちを下ろす親御さんが多かった。ベルギーは北の方に位置しているので、冬になると学校に行く時間帯は既に暗い。薄暗い中で、小さい子供がうろうろすると危ない。
安全面から見てもこのサインは効果があると思うし、デザインもかわいいし、いい案だと思う。