ベルギーには、同じ名前の大学が、フランス語圏とオランダ語圏に存在する場合がある。
有名なルーバン・カトリック大学。
オランダ語圏のルーバンにあるルーバン大学はKU Leuven(KU ルーベン=カトリック・ユニバーシティ・ルーべン)と呼ばれるが、フランス語圏にあるのはUCL -Université Catholique de Louvain -(UCL =ユニバーシティ・カトリック・ド・ルーバン)だ。
UCLの方はオランダ語圏にあるルーバンから出て、ルーバン・ラ・ヌーブ(新ルーバン)という場所に大学を建てた。
Leuven がオランダ語でLouvainがフランス語だ。同じ地名でも呼び方が違う。
発音が似ているのでまあ許せる(?)。
前にも書いたけれど、LiegeはLuik、MonsはBergen, AnversはAntwerpenと言った具合に、一つの地名にフランス語とオランダ語(と英語)の呼び方が存在する。ゲント(Ghent)は、オランダ語だと(Gent)「ヘント」、フランス語だと(Gant)「ゴン」だ。ゲントという街を知っていても、きっと初めて聞いた人はゴンってどこやねん!たんすか?って突っ込みたくなると思う。
ブラッセル自由大学はもっとユニークだ。
仏語のULB (Université libre de Bruxelles) とオランダ語のVUB (Vrije Universiteit Brussel) だ。
「自由」という意味のフランス語が「Iibre」でオランダ語が「Vrije」なので頭文字が違ってきている。
このULBとVUBは同じ敷地内に校舎が建っていて、ULBのエリアにはULBの立て札が出ていて、VUBのエリアに入ったらVUBのマークが出てくる。私はこのULBとVUBの近くに住んでいる。この大学の構内は、子供たちが小さい頃から散歩をしたり、芝生で寝そべったり、ジョギングをしたり、私の家の庭みたいなもの(笑)だ。
これも前にも少し言及したが、一般的にオランダ語の政府の方がお金を持っている。
なので、VUBエリアに入ると、道がきれいに舗装されているし、雑草が刈られていてすっきりしている。
オランダ語圏の人達は統制がとれたものを好むので、全体的に統一感があり、建物に付与されている番号も見やすい。
校舎はどんどん大きく、高くなってきている。さすが!
一方、ULBエリアに戻ってくると、草ぼうぼう(笑)。フランス語圏は個人の価値観を重んじるので(?)、あちこちの建物にそれぞれ個性を持っている。つまりちょっとごたごたしている。歩いているだけで、文化、ものの捉え方の違いを目の当たりにできる貴重な場所だ。
最近、ちょっとびっくりなのが、フランス語圏ULBのエリアに、普通のアパートがどんどん建築されていて、保育所や、店舗まで入っている。私たちが遊んでいた丘が平地にされ、アパートが建った。ちょっと悲しい。人が移り住み、子供の声が響く。柵はあるけれど、こんな大学の中に住民が居住してよいのか?
それとも、あまりにも資金繰りに苦しく、大学の資金運用のため、賃貸料で賄おうとしているのか?
想像が広がる。想像は得意なんだ(笑)
それにしても、大丈夫かい・・・
がんばれよ。フランス語圏!