欧州一般的だと思うけれど、街角で物乞いをしている人達に良く出会う。あまり慣れていない日本人としては、どう扱ってよいのか、やや当惑してしまう。本当に困っているんだったら、何かしてあげたい気もするし、なんだか詐欺まがいのグループの一味だったら、イヤだな、って思ったり。
昔は、音楽を弾いている人達には良く小銭を上げた。音楽そのものがいいな、って思うのと、何か自分で出来る事を供給して、その対価をもらうという姿勢が悪くない、って思ってたから。
一度、電車賃を無くした(きっとウソ)、住所を教えてくれたら、必ずこっちに来た時に返金するから、泣きつかれて、5ユーロ程度渡したら、足りない、って言われてびっくりした。水が買いたい、って言われて2ユーロあげた時も足りないって言われたことがある。いや、懲りずに、なんでそんなにやってねん!って話だが・・・何だか親切心で少しカンパしてやるか、って思うとバカを見る。
そう、ベルギーに来た当初はこんな感じでよくしくじった。
それからちょっと疑心暗鬼になって、電車とかで、紙コップにチャラン,チャラン言わして来る浮浪者っぽい人は、ほぼ無視してきた。でも、ベルギー人って割と小銭を上げていたりして、ほお、心が広いんかな、って思ったりする。
他には、レストランで食事をしていると、外から入ってきた娘さんがテーブルの上に勝手に花をおいて行って、ちょっと間すると集金に来る、とかそういう手口もあった。最近は禁止されてレストランに出入りできなくなってるみたいでもう見かけない。
これもいい所を突いていて、レストランで食事をしていると気分もゆったりしていて、花の一本くらい買ってやるか、って気になるんだなあ。
一度スーパーで買い物を終えて、車に荷物を積んでいたら、学生っぽい子がお金をなくして、ランチが買えないので、お腹が空いている、少し現金をもらえないか、って言って来た事がある。
これは怪しい、って思って(その頃はかなり学んでいた笑)、買った食材の中から、デニッシュのパン類(数種類買っていた)を出して「これ、あげるよ」って渡してあげた。
そうしたらちょっと躊躇した感じで、「いや、僕、このパン好きじゃないんだ・・」
何、贅沢言ってんねん!やっぱり、怪しい。「他にもあるけどどう?」
「現金を少しくれれば、自分で好きなのを買いに行くよ」
「あ、ゴメン、カードしか持ってないんだ」
するとチッという感じで行ってしまった。
やっぱり怪しいヤツだ。
割と最近、玄関が、ピンポン♪って鳴って、誰?って開けて見たら知らない人が立っている。
英語が喋れるか?って聞いてきたので、話せるよ、って対応したら「あー良かった!この辺りの人はみんな英語がわからなくて」ってうれしそうに、でもめちゃ拙い英語(笑)でしゃべりかけてきた。それくらいの英語ならこの界隈の人でもわかるよ。
で、自分はウクライナ人で、ほら、知っているでしょう、あのウクライナから来たんだけれど、食べるものもない、赤ちゃんがいるんだけれど、ミルクもなく、困っている、と本当に片言の英語と手振り身振りで訴える。
いやあ、半分怪しい。半分はどっちにしろ困っている感じ。ドア開けちゃったし、どうしよう。
「ウクライナ人だったら、公的支援をやっている所があるので、そこに行けば良いと思うよ。私も支援団体にはいくらか寄付したし、きっと助けてくれるよ。」
って言ったけれど、ちゃんと伝わっているのかわかっていないのか、全然話を聞いてない感じでひたすら、イエス、ベィビーアットホーム、ノーミルク、ノーフード、ノークローズ、コールド😢 みたいな単語と身振りでともかくしゃべり続ける。
まあ仕方ないので、家にあった、白いパン半分くらい、ちょうど6枚切り一袋分くらいの量かな?残っていたので、それとミルクとお菓子と適当に袋に入れて渡した。
今度はうれしそうにサンキュー!!って去っていったので、これくらいの残り物で喜んでくれるのなら、そこまであくどい人ではなさそうだ。
いや、ウクライナ人を語る物乞いか、もしかしたら、本当のウクライナ人なのか。微妙な所を突いてくるなあ。
もし本当にウクライナの人だったら、なんだか邪険に扱ったらこっちが悪いような気になる。きっとその辺りの狙ってるのかも?