仏語を習い始めた頃、「Je」ジュの発音をよく直された。
「Je」は「私」という意味なので、めちゃくちゃよく使う単語だ。
これをことごとく直されると、会話にならない。
その上、この「je」は「Bonjour」にも出てくる。
このボンジュールにも含まれている「J」の発音だ。
それでも、発音が明らかに違うな、という場合なら、理解できる。例えば「r」の発音は、のどをゴロゴロ言わせるような発音で、これはなかなかできない。自分で発音しても、ちょっと違うな、と思う。
ところが、このジュは、何が違うのかわからない。
‐Je m’appelle….ジュ・マ・ペル・・(私の名前は‥)
-Non, non, JE… ジュ、ジュ、言ってみて。
-はい、ジュ、
-違う違う、ジュ、
-え?ジュ? (先生と全く同じ発音、してるやん!)
-違う、よく聞いて。ジュ、
という意味不明の会話が続く。
試行錯誤の後、わかったことは、ちょっと「ジョ」、に近い感じで「ジュ」、というといいみたいだ。
もし、こういう場面に遭遇した場合は、ジョ、って言ってみてください(そういう場合あるか?)
あとは、最後に来る「R」も聞き取りにくいんだけれど喉の所で「グル」っとなる。
ボンジュールも、聞くと「ボンジュー」、「オルボワール」も「オーボワー」くらいに聞こえる。
でも、はなから「ボンジュー」「オーボワー」と発音しちゃうと、こればちょっと違う。
最後の「R」がボンジュー(グ)「オ(グ)ボワー(グ)」と書けない音が入る。
だからJもあるし、最後のRもある、ボンジュール、は意外と発音の難しい言葉なのだ。
あまり聞こえないけれど、抜けている人の発音はわかってしまう。変なジレンマだ。
自分は出来ないくせに、他人の間違いはわかる(笑)
ちょっと話は飛ぶが、欧州は、人も家も道も街路樹ですら、一回りでかい。
日本に帰った時にその違いがよく分かる。街を歩いている人、すれ違う人、みんなちっちゃい。
群衆の高さが低いのだ。
何気なく、日本ってみんなちっちゃいなあ、ってつぶやいて、よく考えてみたら、私は身長が152㎝ 45kg。(笑)超小型のくせに、何言ってるん!
つまり、すれ違う人、街を歩いている人たちは、実際は、私よりは大きいのだ。
でも、大きさが「普段すれ違っている人達」より小さい、っていう事だ。群衆の高さが普段はもっと高い。自分の事を棚に上げて、まあ、みんなちっちゃいなあ、なんて言えるな、って自分ながらに苦笑した。
それに似た感じで(似てるか?)、自分で発音ができないくせに、人の発音の悪さはわかってしまう。
あ~違うな、って思う。
でも、正しい発音を習う事は大切だけれど、最終的には、少々発音が悪かったとしても、言いたいことが伝わればそれで成功なので、細かい事は気にしなくて良いんだ。
他の外国に人たちも、めちゃ巻き舌Rを発音するイタリア系、早口で何言ってるかわからないインド系、ザジズゼゾが濁らないスペイン系、とそれぞれ勝手な発音でしゃべってくる。
少々JやRがへたくそでも(前後の関係で空気読んで~)、伝えたい!という意気込み(?)があれば伝わるものだ。