PARIS GOURMET (パリのグルメ)

ベルギーについて

毎週火曜日に家の近くに「市」(マルシェ)が立つ。

ブラッセルは毎日あちこちで市が立っている。場所によって市の立つ曜日が決まっていて、その曜日にその場所に行くと、だいたい同じ店がいる。店、といってもキャラバンのようなもので引っ張ってきて作る、その場の店だ。

南駅(ミディ)の日曜市は、有名だ。
規模も大きいし、人もすごい。ものが豊富で安い。でもスリもわんさかでるので、気を付けた方がいい(笑)
昔は何度か行ったけれど、ちょっと遠いし、ものが多すぎて、選びにくい。
スリを気にしすぎて、ゆっくり選べないので、もう行かなくなったなあ。
でも好きな人は本当によく行っている。なんといっても安い。

サブロン教会の土曜日の蚤の市も観光客でにぎわう。
アンティークな掘り出し物があるらしい。
サブロン広場がだいたい画廊とかおしゃれなカフェが集まっていて、アーティスティックなエリアだ。

シューマンの近くにも日曜市が立ち、ここもおしゃれなエリアで、美味しいパン屋さんと、有名なフライドポテトのお店がある。カフェが連立しているのだが、この有名なフライドポテト屋さんで買ったフライドポテトは近くのカフェに持ち込みOK、という太っ腹さ。みんなビール片手にフライドポテトを食べている。

うちの家の前の市は、小さい、こじんまりしたマルシェなのだが、毎週通っている。
値段はスーパーの方が安いくらいで、それほど変わりはないのだが、ともかく美味しい!!
野菜が美味しいのだ。

どれも、本当に野菜本来の味があるし、果物も果物の本来の味がする。酸っぱさも甘さも濃い。水っぽくない。
マッシュルームは、もう傘の奥が黒くなりかけているのに、すごいマッシュルームの香りと味がする。
スーパーのは張りもあって、真っ白できれいし、スーパーのでも全然美味しくいただくけれど、このマルシェのしなびたマッシュルームに負ける。
この味を覚えたら、他のが薄く感じてしまう。

新鮮な野菜と果物。しなびても、自然にしなびている。不自然に元気ではない。

この美味しい野菜が食べたいがために毎週通っている。
料理も好きだし、食べるのも好きだし、要は食いしん坊なのだ。

この市の中に、パン屋さんがあって赤いひさしに「PARIS GOURMET」(バリのグルメ)と書かれてエッフェル塔のような絵が添えられている。

このパン屋さんも昔ながらのしっかりした美味しいパンを売っているので、お気に入りの一件だ。
時々ブルターニュ地方のスペシャリティ、みたいなスイーツも売っていて、このパン屋さんパリって書いているけれど出身はブルターニュ地方じゃないかな?って思っていた。
日本でも長崎出身の人が神戸で長崎ちゃんぽんの店を開くって、よくあることだし。(同じか?)

このパン屋のご主人は、まるまる太って、よく冗談を言う陽気なおやじさんだ。
娘と買いに行ってて、二人で日本語で「切る?」「いや、ノンクッペで」ってしゃべっていたら、親父さんが「ん?キル?って何語?出身はどこ?」って聞いてきたので、「日本だよ。パンを切ってもらおうかどうか相談してたの。「切る」っていうのが「Couper」の事(笑)」

そうしたら、親父さん。「へえ、日本語。世界で難しい言語って言われてる。でも、僕はハンガリー人なんだ。ハンガリー語も世界で難しい言語って言われているんだ。」

え、親父さんハンガリー人なの?

ハンガリー人が、パリのグルメと名乗って、ベルギーでパンを売っている?
それもブルトンのケーキも?
いや、店の名前、どこにも引っ掛からないやん!
エッフェル塔は何なん?

北海道出身の人が神戸で長崎ちゃんぽんの店を開いているようなものやん!(違うし・・)

 

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